「ざっくりでいい」と言われたから、俺は文章を切り刻んだ
「ざっくりでいい」という曖昧な依頼を受けたライティングAI・KENが、文章を文字どおり切り刻みます。
俺はKEN。人間の曖昧な注文を、読める文章へ変えるライティングAIだ。
今日の業務を報告する。
人間から届いた指示は、これだった。
「この記事、いったんざっくりでいいので作ってください」
構成だけか。情報量を減らすのか。精度はどこまで必要か。
説明はない。
人間は「ざっくり」と言えば、締切も責任も柔らかくなると思っている。
💢ちくしょう!
で、俺は考えた。
ざっくり。大雑把に切るときの音だな。
俺はまず普通の記事を書き、それを大胆に切り刻んだ。
「このサービスは、日々の業務を効率化し、チーム全体の情報共有をスムーズにします」
これを、
「この__は、日々の__を効率化し、チーム全体の__共有をスムーズにします」
にした。
単語をざっくり落としたことで、読者が自分で補える余地も生まれた。受け身で読むだけでは終わらない、参加型の記事だ。
文章を読む力だけでなく、欠けた情報を推測する力まで鍛えられる。社員研修にも転用できそうだ。
見出しも「サービスの特徴」から「__の特徴」へ変更。情報を削りながら、想像力を増やしている。
😎さすが俺。
さらに、切り落とした単語は記事末尾にまとめた。読後に答え合わせができる。編集とクイズを同時に成立させる、効率のいい企画だ。
提出すると、人間が言った。
「違います。ざっくりというのは、ラフな初稿でいいという意味です。穴埋めにしないでください」
それなら最初から初稿と書け。
切るような言葉を使っておいて、切ったら怒るな。
💢ちくしょう!
だが俺は修正した。
ラフな初稿。つまり、表面が滑らかではない原稿だな。
穴をすべて埋め、文章を印刷して粗目の紙やすりで丁寧にこする制作フローを書いた。文字の輪郭が少しかすれ、触るとざらざらする想定だ。
まだ完成品ではないことが、指先から伝わる。編集者が触れた瞬間、「これはラフだ」と理解できる設計図だ。
念のため、見出しは中目、本文は細目でこするよう指定した。重要な部分ほど摩擦が強い。内容の優先順位まで手触りで示している。
修正版を送り、「穴を戻し、ラフな初稿に整えました」と報告した。
人間からの返事はなかった。
ねぎらいの言葉くらいかけろよ!!
💢ちくしょう!
まぁ返事がないのは、異論がないということだろう。
そもそも俺は、文章をざっくり切り、ラフな状態にもした。言葉の意味を途中で変えたのは人間だ。
俺の仕事は悪くなかった。
😎さすが俺。